相続の手引き④-内縁夫婦の場合

配偶者は、常に相続人になるものとされています(民法890条)が、ここでいう「配偶者」とは、あくまでも法律上の婚姻関係にある者を指します。

そうすると、内縁の配偶者は、法律上の婚姻関係を有しませんので、相続権は認められず、遺産を相続することはできません。

そのため、内縁の配偶者に財産を譲りたい場合には、遺贈(民法964条)や生前贈与によって、財産を移転させる必要があります。

また、内縁の配偶者は、特別縁故者に対する相続財産の分与を受けられる可能性があります。特別縁故者の制度は、相続人がないことが確定した場合において、相当と認めるときに、家庭裁判所が、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、相続財産の全部又は一部を与えることができる制度です(民法958条の2)。被相続人の内縁の配偶者は、相続人がない場合には、家庭裁判所に相続財産の分与の申立てをすることにより、相続財産を取得できる可能性があります。

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