相続の手引き⑬-相続人資格の重複がある場合の法定相続分Ⅰ

【事例】

甲には子A、Bがいる。Aには子C、Dがおり、Cは甲の(普通)養子となっている。

Bは甲が亡くなる前に死亡している。

甲の相続人は誰か。

本事例では、Cは、甲の養子としての地位とBの代襲相続人としての地位を併せ持つことになります。このとき、Cの法定相続分についてどのように考えるのか問題となります。 

相続資格が重複する場合の法定相続分に関して、通説・実務では、その身分が相互に排斥しあう関係にない限り重複が認められると解されています。

被相続人が孫を養子にした主たる目的は、被相続人の相続について、孫に相続人としての地位を与えようとしたものであると解され、二重資格を否定する理由もありません。よって、通説・実務では、養子と代襲相続人の資格の併存を認めています。 

そうすると、本事例において、Cは養子と代襲相続人の資格を共に有することになります。そのため、法定相続分は、Aが1/3、Cが1/2(養子としての1/3+代襲相続人としての1/6)、Dが1/6となります。

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