相続の手引き㉒ 金銭等出資型の寄与分

被相続人の事業に関する金銭等の出資・提供により、相続財産の維持または増加について特別の寄与があると認められる場合には、寄与分が認められます。

例えば、被相続人の事業資金を融資した場合、不動産の購入時に購入代金を提供する場合や相続人が所有しているマンションを被相続人に無償で貸して住まわせていた場合が考えられます。

この類型において寄与分が認められるのは、身分関係に基づき通常期待される程度を超える財産上の給付であって、その寄与の結果として被相続人の財産の維持・増加がある場合です。他の類型においては継続的な寄与行為が要求されますが、金銭等の出資・提供による寄与行為の場合には、1回の給付であっても寄与分が認められます。

また、被相続人の財産の購入時において購入代金を提供したとしても、相続開始時において第三者に売却されていた等当該財産が失われていた場合には、寄与の結果として被相続人の財産の維持・増加があったとはいえず、寄与分の主張は認められないことになります。

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