「非上場会社のための株主管理・株主対策Q&A」会社法を遵守した株主総会⑤
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➡【Q1】株主総会を開催せず、議事録だけを作成している会社にはどのようなリスクがありますか。 ➡【Q2】株主総会にはどのような種類や決議方法があり、取締役会設置会社と非設置会社では役割にどのような違いがありますか。 ➡【Q3】株主総会の招集手続に不備があると、どのような法的リスクが生じますか。 ➡【Q4】株主総会の運営に不備があった場合、どのようなリスクが生じ、どの点に注意すべきですか。 ➡【Q5】株主総会を省略・簡略化する特殊な手続にはどのようなものがあり、利用時の注意点は何ですか。 ➡【Q6】過去の株主総会に瑕疵がある場合、どのような方法でその不備を是正できますか。 |
【Q5】株主総会を省略・簡略化する特殊な手続にはどのようなものがあり、利用時の注意点は何ですか。
【A】書面決議(会社法319条1項)や招集手続省略(会社法300条)などで総会を簡略化できますが、いずれも株主全員の同意が前提であり、不備があると決議の効力が争われるため慎重な運用が必要です。
(解説)
1 書面決議(みなし決議)
書面決議とは、株主総会の目的事項について提案がなされ、議決権を有する全株主が書面または電磁的方法で同意した場合に、株主総会決議があったものとみなす制度です(会社法319条1項)。また、報告事項についても同様に省略が可能です(会社法320条)。
実務では、提案書と同意書を作成し、定時株主総会の省略の場合には計算書類や事業報告等とともに株主へ郵送で送付します。会社の提案と株主による同意は電磁的方法(メール等)の利用も可能ですが、同意の内容が明確であることが重要です。
もっとも、全員の同意が得られなければ成立しないため、株主数が少なく、確実に同意が見込める場合に限って活用すべき制度といえます。
2 招集手続の省略・短縮
株主総会自体は開催しつつ、招集手続のみを省略することも可能です。通常、招集通知の発送(会社法299条)や計算書類等の提供(会社法437条)が必要ですが、株主全員の同意があればこれらを省略できます(会社法300条)。
ただし、省略できるのは通知等の手続に限られ、取締役会決議などの内部手続は必要です。また、後日の紛争防止のため、同意は書面で取得しておくことが望ましいといえます。
同意取得の手間も考慮し、実際に省略・短縮を利用するかは慎重に判断する必要があります。
3 バーチャル株主総会
近年は、インターネットを利用した株主総会の開催も広がっています。
いわゆるハイブリッド型では、会場開催を前提にしつつ、オンラインでの参加や出席を認める形式があり、これらは現行法上も許容されています。一方で、物理的会場を設けない完全オンライン型は、現行法上は認められないと解されています。
参加型は視聴のみ可能であるのに対し、出席型はオンラインでも議決権行使や質問が可能となる点が重要な違いです。
実施にあたっては、通信環境や本人確認、セキュリティ対策が不可欠であり、招集通知に開催方法や接続情報を明記するなどの準備が求められます。
今後のデジタル化の流れを踏まえつつも、自社の株主構成や運用体制に適しているかを十分に検討したうえで導入することが重要です。
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