少数株主対策⑮ 予防的対策-相続人に対する売渡請求等

⑴ 相続人等に対する売渡請求制度の導入

非公開会社の場合、定款に定めることによって、相続人に対して、相続した株式を会社に売り渡すよう請求することができます。

売渡請求は、相続発生前に株主総会特別決議により売渡請求制度を導入する定款一部変更を行い、会社が相続の発生を知った日から1年以内に行う必要があります。

また、実際に売渡請求を行う際にも、株主総会特別決議が必要となります。

株式の買取価格について会社と相続人の間で折り合いがつかない場合には、最終的に裁判所が価格を決定します。

なお、会社法上、売渡請求についての株主総会特別決議には、相続によって承継することとなる株式はもちろんのこと、当該相続の相続人となる者がもともと保有していた株式についても議決権を行使することができないため、オーナー家以外の少数株主が存在する会社では、当該少数株主によるクーデターリスクを考慮する必要があり、売渡請求制度の導入にあたっては、より一層慎重な検討が要求されますので、会社法に精通した弁護士の関与が重要となります。

 

⑵ 後継者への集中的承継

 議決権が分散した後に再集中を図ることには困難を伴います。そこで、少数株主を生じさせないように、議決権が分散する前に、議決権が分散しないよう予防策を講じることが何よりも重要です。

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