少数株主対策⑭ 従業員持株会、役員持株会の設立
「持株会」とは、株式の取得を目的として運営する組織をいい、企業の従業員が自ら勤めている会社の株式を購入するために組成される持株会を「従業員持株会」、企業の役員によって組成される持株会を「役員持株会」と呼びます。
持株会は、従業員・役員に株式を持たせることで、勤労意欲や社業繁栄への気運を高めるとともに、配当・奨励金を交付することで、従業員や役員の財産形成にも役立ちます。また、持株会は、安定株主の確保や相続税対策の目的など、経営者側の需要をもって設立されることも多く、近時ではIPOにあたって持株会を設立する会社も増えています。
持株会からの株式の引き出しを制限し、退会時には持株会や会社が買い取る仕組みを採用することによって、株式の分散を防ぐことも可能で、非上場会社の場合には、退会する際の払戻価額を固定することもできますが、必ず法律上・税務上のリスクがつきまといますので、持株会設立にあたっては弁護士等の専門家に依頼することを強くお勧めします。