少数株主対策④ 全部取得条項付種類株式スキーム

「全部取得条項付種類株式」とは、株主総会特別決議により、その種類の株式の全部を取得することができることを内容とする種類株式をいいます。

この全部取得条項付種類株式を利用してスクイーズ・アウトを実現する方法を全部取得条項付種類株式スキームといいます。

具体的手続としては、まず①全部取得条項付種類株式を発行する旨の規定を設ける定款一部変更の株主総会特別決議を行い、②既存の普通株式全てを全部取得条項付種類株式とする旨の定款一部変更の株主総会特別決議(及びこれについての普通株式の株主で構成された種類株主総会特別決議)を行い、更には③会社が全株主から、取得対価となる新株と引き換えに全部取得条項付種類株式を取得する旨の株主総会特別決議を行う必要があります。

そして、③の決議にあたって、取得対価となる新株の交付比率の調整を行い、少数株主には1株に満たない端数が交付されるようにし、端数の合計数に相当する数の株式については、競売、売却または会社等が買い取ることによって、最終的にスクイーズ・アウトを実現します。

本スキームを利用する場合には、株主総会特別決議を経る必要があるので、スクイーズ・アウト実施者が、3分の2以上の議決権を保有、ないし確保していることが前提となります。 また、少数株主を保護する規定として、差止請求権、反対株主の株式買取請求権、取得価格決定申立権などが用意されています。

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