事業承継⑨MBO・EBOの活用

・MBO、EBOとは

役員や事業責任者といった経営陣が経営権を取得することをMBO(Management Buy-Out)といいます。

また、従業員等(従業員持株会を含みます。)が、現経営者から株式の全部または一部を買い取ることにより、経営権を取得する手法のことをEBO(Employee Buy-Out)といいます。

・弁護士の必要性

MBOやEBOを円滑かつ安全に実施するには、適切にスキームを選択し、株式譲渡契約書等において法的リスクに対して手当てをしておくことが重要です。そのためには、プランニングの初期段階から弁護士を関与させる必要があるといえます。

また、MBO、EBOの手法の一つとして、株式を買い取るための特定目的会社(SPC)を設立し、SPCにて資金調達を行うというものがありますが、この手法を用いる場合には、SPCの設立や、その後の組織再編手続にあたって弁護士が関与することが望ましいといえます。

・承継方法

親族内承継の場合には、株式・事業用資産を無償で譲渡することが多いですが、親族以外の役員・従業員等に経営権を承継させる場合には、経営権の移転は有償で行われることが一般的です。

有償で経営権を移転させる方法としては、主に、「株式譲渡」による方法と、「事業譲渡」による方法があります。

「株式譲渡」は、文字通り、現経営者の株式を後継者が買い取る方法をいいます。最もよく用いられる方法です。

「事業譲渡」による方法は、会社と後継者(あるいは後継者が株式を保有する受け皿会社)との間で事業譲渡契約を締結するというものです。

この方法を用いるメリットとしては、簿外の債務を承継するリスクを回避できることにあります。もっとも、事業の譲渡を受けたとしても、許認可は当然には承継されませんので、注意が必要です。

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